吉田松陰の妹・杉文(楫取美和子)の物語|2015年大河ドラマ「花燃ゆ」

第二次幕長戦争始まる

長州藩、幕府戦への準備を進める

 長州征討軍撤退後、長州藩への処分内容について、藩主の江戸への護送などの沙汰処分を主張する幕府と、京都で合議による決定を主張する西国雄藩が対立します。この対立を打開するため、幕府は長州の征討を再度宣言します。
 長州藩は、征討に備え藩政府改革を実施し、事実上のトップに桂小五郎が就くことになりました。小五郎は挙国一致(目的のために国全体が一体となること)を主張し、藩主毛利敬親は、吉川経幹(きっかわつねまさ)を含む支藩主らと会談します。長州藩は武備恭順のもと征討軍に徹底抗戦することを宣言します。高杉晋作らは西洋式による軍制改革に着手し、指導役に大村益次郎を抜擢します。長州藩は征討に備え着々と準備が進んでいくのでした。

 

幕府、長州征討の勅許を得る

 慶応元年(1865年)閏5月、将軍徳川家茂が参内し、長州への再征討を奏上します。25日には大坂城に入りますが、すぐには征討に取り掛からず、長州が刑に服することを待ちました。
 6月23日、幕府は吉川経幹らを大坂に招致する命令を出しますが、長州側は病気のため猶予を願うと回答します。8月にも同様の命令が出ますが、長州側は再び病気を理由に拒否します。このような中、幕兵の士気は落ちていきました。手詰まりとなった幕府は落ちた士気を立て直すために、9月21日、長州征討の勅許を獲得しました。

 

第二次幕長戦争始まる

 その後も戦闘はなく、慶応2年(1866年)1月22日、幕府は長州処分の最終案を奏上し、勅許が下されます。その内容は、藩主親子の朝敵の名を除く代わりに、封地の10万石削減、藩主親子の蟄居などというものでした。その後交渉がありますが、最終的に長州藩は受諾を拒否します。そのため、6月7日、幕府艦隊の周防大島への砲撃が始まり、第二次幕長戦争の火蓋が切られました。

 

文の父・百合之助死去

 慶応元年(1865)、文の父・杉百合之助が死去しました。これ以来、母・滝は浄土真宗に帰依しました。

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